MANTARO's Trickfest 3 Report

文・写真:マンタロウCheap Track Guitarist)     Aug. 24 - 28, 1999

CHEAP TRICK F.C.会誌 『SPEAK NOW vol.24』 より

TRICKFEST3

■□ 824日(日本時間)

   午前11時15分発のANA12便シカゴ行きの飛行機に乗ってトリックフェスト3に出発!
   僕にとっては、去年の2月のTF2に続き2度目の参加となるトリックフェストですが、去年と違うのは、僕がメンバーのチープのコピーバンド、チープ・トラックのメンバー全員が参加するということです。というのは、今回のTF3の企画の一つである、バトル・オブ・チープトリック・カバー・バンド(チープのコピーバンド大会)に出場するためなのです。

■□ 824日(アメリカ時間)

   約11時間かかって午前8時50分頃、シカゴ・オヘア空港に到着。無事に入国審査も終えて、指定されたトライステート・バス(路線バス)に乗って、会場となるメルリビルのラディソン・ホテルに向かいます。約一時間位バスに揺られて午前11時30過ぎにホテルに到着。
   去年、知りあった懐かしい顔を見つけては、たどたどしい英語で、挨拶をしてまわります。そのあと、無事、チェックインも済ませて、ひとやすみ。ちなみに、チェックインすると参加記念品がもらえます。今年は、TF3のTシャツ、ステッカー、未発表のデモやライブの曲などが入ったCDです。夜になって、続々と参加者が到着しました。24日は、イベントとしては何の予定も無いけれど、夜中までラウンジでファンの交流が続きました。

■□ 825

フォトセッションCheap Track with Cheap Trick

   午前10時過ぎに朝食を済ませて、フォトセッションの会場となるホールに向かいます。このホールでリクエスト・ショーなども行われます。久しぶりに見るチープのメンバーはとても元気そうで、ニコヤカな雰囲気で撮影会は行われました。
   僕はいつものステージ衣装(黄色シャツに赤いカーディガンに蝶ネクタイ)に着替えて、撮影に参加しました。このカッコは評判がよいのか、オバカに見えるのかわからないけど、いろいろな人に「写真を一緒に撮って」と言われ、かなりの人気者になってしまいました。(^^ゞ
   フォトセッションの合間に、グッズやオークションの品物を見に行ったりします。グッズは、25周年のTシャツやバスタオル、グラスなど新作が結構売られていました。オークションは、今回はステージ衣装などが多かったです。バニーまで衣装を出品していました。

リクエスト・ショー

   夜の9時、ステージにメンバー登場!
   アコースティック・セットです。オープニングの曲は「On Top Of The World」アコースティク・バージョンもカッコイイです。続いて、「Take Me To The Top」。アルバム「The Doctor」からの曲ですが、アメリカのファンは好きな人がスゴク多いみたいです。「Oh Candy」97年の「Cheap Trick」からの「It All Comes Back To you」へと続きます。
   そして、リックがトムを紹介して、トムがリード・ボーカルを取るThe Kinksのカバー曲「See My Friend」。トムのヘタウマな歌はロビンとは違う魅力がありますね。「Downed」「Shelter」そして「Never Had A Lot To Lose」では会場中が「ホッホッホ~♪」と大合唱。アコースティク・セットの最後は「Woke Up With A Monster」から「Didn't Know I Had It」。
   15分程のステージ・チェンジの後、エレクトリック・セットです。ドンダカドン、ドンダカドン、とバニーのシャッフル・ビートで会場は大乗りです。
   一曲目は「Just Got Back」、トムのボーカルの「Waiting For The Man/Heroin」。リックのギターのフイードバックで始まる「Stop This Game」。ロビンのシャウトするボーカルもカッコイイっす。そして、ブルージーな「Can't Hold On」。
   次は、9月からアメリカのテレビで放送される、チープが主題歌を担当してしているThat 70's Showのテーマソング。とってもチープらしい、ポップでロックしているナンバーです。
   そして、チープを長年サポートしていいるJohn CandisさんとReputation is a fragile thingの作者のMike Hayes氏とイギリスの熱狂的ファンのKim Gisborne氏が、チープから表彰されるためにステージに呼ばれ、リックからゴールド・ディスクが送られて、この夜のステージは終了!
   その夜は、コンサートの興奮が覚めないまま、ラウンジで翌日のバトル・オブ・カバー・バンドの出演者たちを中心としたジャム・セッショッンが始まり、飲んで、歌って、踊ってと一晩中盛り上がっていたのでした。

■□ 826

Photo of Gear/サイン会

   TF3、3日目のスケジュールは、午前10時から、ホールのステージ上でチープのメンバーの楽器と記念撮影するイベント、Photo of Gearです。リックのチェッカーボードのヘイマー・エクスプロラー、ロビンのウァッシュバーンのエレアコ、トムのチャンドラーの12弦ベース、バニーの78年の武道館公演で使用したスリンガーランドのドラム・セットなどが並びました。それぞれの楽器と写真を撮るだけで、メンバーはいません。
   その後、ホールのロビーでは、メンバーのサイン会も行われました。去年もそうだったんですけど、リックのコーナーが一番人気で物凄く長い列ができていました。
   トムは去年と同じく、テーブルの上にお気に入りの日本語を書いて喜んでいました。ロビンも去年と同じく、ロビンJr.を隣に座らせて、一緒にサインをしてました。バニーは、ファンたちに自分で用意したバス・ドラムのヘッドに署名をさせていました。

バトル・オブ・カバー・バンド

   午後の7時過ぎにバトル・オブ・カバー・バンドの始まりです。チープのステージ・セットの前に、機材(ドラムス、ギター・アンプなど)をセットし、出演者がそれぞれサウンド・チェックをして、リハーサル無しのブッツケ本番です。
   出場バンドは6バンドです。当初、審査員はチープのファースト・アルバムのプロデューサーのジャック・ダグラス氏の予定だったのですが、お父様が亡くなったとのことで、急遽、リック・ニールセン先生とジェニファー・キャンディスという方が審査することになりました。
   もちろん、我らがチープトラックも参加します。それまでは何故か全然、緊張していなかった僕なんですが、リックが会場に入ってきてから、異常に緊張してドキドキしてしまいました。この企画は楽しみにしていた人たちが多かったみたいで、沢山の人たちが集まっていました。実際、TF3参加者のほとんどが来てたみたいです。
   各バンド、3曲を演奏します。1番目、2番目と会場も盛り上がって進行していきます。3番目はロス・アンジェルスから、チープのカバーバンドでは有名なSPECK。アメリカのファンの間では有名なバンドなんですよ。そして、4番目が、いよいよ、僕たちチープ・トラックの出番です。
   いつものライブの時のように、マイク・スタンドに自分のピックを沢山貼り付けて、準備完了!
   僕たちの演奏曲目は「Elo Kiddies」「Hot Love」「Auf Wiedersehen」。何故か、一曲目のEloから大ウケで、演奏していてスゴク楽しかったです。
   ステージから降りると「ピックちょーだい、ピックちょーだい」と皆が声を掛けてくれて、持っていったピック120枚、全部無くなってしまいました。おまけに、リックのギター担当のSVENさんまでもピックをもらいに来てくれて、笑ってしまいました。
   その後の2バンドの演奏が終わって、すぐに結果、発表です。ステージに上がったリックさんが、出場バンド、それぞれのコメントを話て、最後に優勝バンドの発表です。"MY Favorite CHEAP TRACK!"
   細かい言葉は覚えていませんが、僕たちのバンドが呼ばれたときは、不覚にも涙してしまいました。いろいろな人たちに祝福の言葉をもって、本当に信じられない時間でした。

バンドからのプレゼント/リクエスト・ショー

   午後10時過ぎ、リクエスト・ショーの前にチープのメンバーそれぞれから参加者へのプレゼントの抽選会が行われました。最初はトムからです。トムが引き当てたのは、チープ・トラックのベーシストのキンコさんでした。品物はトムが子供の頃、使っていたというボロのアコーディオン。バニーはラディックのスネア・ドラム。リックはヘイマーのギター。ロビンはスタジオで使用した、シュアーのSM-57というマイクをプレゼントしていました。
   その後、リクエスト・ショーの始まりです。オープニングはロビンのソロ・アルバムの曲の「Jump Into The Fire」。その後の曲は、全部はハッキリと覚えていないんですけど、The Whoのライブ盤で演奏している「Shakin' At Over」、デビット・ボウイの「Revel Revel」、 ジョン・レノンのトリビュートアルバムでもカバーしていた「Cold Turkey」、同じくジョンレノンの「ダブル・ファンタジー」でリックとバニーがレコーディングに参加した「I'm Losing You」やストーンズの曲、ジミ・ヘンの曲などチープのメンバーが影響を受けてきたアーティストの曲のカバーを演奏してくれました。メンバーもものすごく楽しそうに演奏していて最高でした。
   それで、最後に突然リックが「チープトラック、ステージに上がって来い!」とステージに僕たちを上げました。バトル・オブ・カバー・バンドの優勝バンドの特賞として、チープトリックと共演させてくれることになったのです。
   曲は「Auf Wiedersehen」。リックのアンクル・ディック・ギターを借りて、リックのピックを客席に投げて、本物のお立ち台にも上がってしまいました。いつか、共演できたらいいなぁ、と夢に思っていたことが現実になってしまって、今でも信じられないです。願いは叶うものなんてねぇ……。

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